有料老人ホームは施設ごとに提供するサービスが異なっており、そこで働く介護職の仕事内容にも違いが出てきます。これは就職・転職活動を行う際に十分にチェックしておくべき部分でもありますが、実際に入職して働く際にも、自分が何を求められているのかをしっかり把握したうえで、その役割を果たすことになります。
有料老人ホームは大きく分けて「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類があります。このうち実は介護サービスを提供しているのは介護付のみ、ほかの2つは基本的には介護サービスは提供されておらず、とくに健康型の場合は入居者に介護が必要になったときには退去することになっています。
そのため、介護付の有料老人ホームで働くか、それ以外で働くかによって介護職の役割も大きく変わってくることになります。介護付以外の施設では、介護ではなく主に入居者の日常生活のサポートがメインの仕事になります。食事の提供、衣類や寝具などの洗濯、整頓、移設の掃除、レクリエーションの実施、健康管理など、一般の介護施設と比較して体力的な負担が少ないと言えます。ただし、その分介護スキルを身につける機会が少なくなったり、入居者と接する機会が少なくなったりと、信頼関係を結ぶのが難しいといった注意点が見られます。
また、有料老人ホームの入居者は比較的健康状態が良好なことが多く、外出時のサポートが介護職員に求められることもあります。入居者にとっては貴重な気分転換の機会となるだけに、相手の要望に答えつつ、よい話し相手にもなれるといった対応が求められます。施設内ではなく、外出時での入居者とのコミュニケーションが求められる点は気をつけるべき点と言えるでしょう。